長期間稼働するシステムでの UWF 有効化について

長期間稼働するシステムで UWF を有効化する場合の、一般的な留意事項をご紹介します。



UWF を有効化している環境において、オーバーレイ領域が不足するとシステムが動作しなくなるため、定期的にシステムを再起動してオーバーレイ領域をフラッシュする必要があります。

オーバーレイ領域の消費傾向はその環境のご利用方法に依存します。例えば、新しいファイルの作成や更新が頻繁に行われるシステムでは、オーバーレイが比較的早く消費します。逆に、新しいファイルの作成は行われず、限定された動作のみを行うシステムでは消費は少ないことが想定されます。オーバーレイ領域の消費傾向が把握できていないシステムにおきましては、長期間連続稼働 (例: 24 時間 365 日) を要件するシステムでの UWF 利用はお勧めしません。

システムを再起動せず稼働可能な期間を判断するためには、UWF を有効化して模擬運用を実施し、オーバーレイの消費傾向を把握することをお勧めします。運用が周期的に行われる場合、周期の最大期間 (例: 一週間、または一ヶ月など) を目途に模擬運用を継続ください。消費傾向からシステム再起動タイミングを逆算したり、どのような操作が最もオーバーレイを消費しているかを確認して、利用方法の変更やオーバーレイ領域の拡大をご検討ください。

検討方法例:

(1) 一週間または一ヶ月などの運用周期となる期間、運用試験を実施し、オーバーレイの消費傾向を把握します。

  • 消費量 / 残容量の確認:
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    uwfmgr overlay get-consumption  
    uwfmgr overlay get-availablespace

(2) 試験結果を基に、システム再起動間隔でオーバーレイが枯渇しないよう設定値を決定します。

例:
オーバーレイ消費傾向: 約 200 MB / 日
システム再起動間隔 : 一週間毎

  • 7 日 x 200 MB = 1400 MB / 週、ただし操作によっては消費量が増えることを想定して約 2 倍超の 3 GB = 3072 MB と設定
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    uwfmgr overlay set-size 3072  
  • 一週間通常使用しても警告を出力しないように 1.5 GB = 1536 MB と設定
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    uwfmgr overlay set-warningthreshold 1536
  • 重大エラー表示後 2 日間余裕があるように 2.5 GB = 2560 MB と設定
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    uwfmgr overlay set-criticalthreshold 2560
  • RAM 上に 3072 MB を確保するのが難しい場合は Disk オーバーレイを設定
    ※ OS 再起動後、set-size で指定したサイズの隠しファイル C:\uwfswap.sys が作成されます。
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    uwfmgr overlay set-type disk
  • 設定を反映させるため OS を再起動
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    shutdown -r -t 0

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